医薬品、医療機器業界においては、国境を越えたM&Aが加速。今後は、規模の追求から、選択と集中を目的とした事業単位での組み換えが活発化する方向に動いている。

1.クライアントの状況(背景)

ニューヨーク証券取引所上場外資系企業が東証一部上場企業の1事業部を買収した。両社で買収が合意されたのは営業譲渡日の約5カ月前。社員の移籍同意獲得、業務・組織の統合、ITシステム統合、顧客の引き継ぎなど、この間にすべきことは山積であったが、社内プロジェクトチームと現場が乖離、数週間にわたり、上記課題が放置されていた。

2.プロジェクトの目的

営業譲渡日から混乱無く業務を開始し、初年度で、統合前と同水準の売り上げを上げられる状態を構築する。

3.支援の流れ

1)潜在力評価(Valuation)フェーズで明らかになった事象

統合前と同水準の売り上げが維持できれば、統合効果により5億円の利益向上が見込まれることが証明された。

それ故、営業譲渡日から混乱無く業務を開始するため、業務統合により生じうるリスクを漏れなく洗い出し、リスクを潰すための活動(=個別プロジェクト)を「見える化」した。

また、インタビューやこれらの活動の中で、人材アセスメントをあわせて行い、統合チームに関わるメンバーを人選した。

2)成果創出(Creation)フェーズにおける活動

法務、財務も含め主要人物を集めた全体会議の場をつくり、その場で必要な意思決定が行える体制を整えた。

また、プロジェクト全体設計及び進め方に関する方法論をトレーニングを通して伝達し、メンバー全員が共通の認識のもと活動できる状態を構築した。

この結果、4つの個別プロジェクトチームは方法論に従って懸案されたリスクを精査、業務統合のための方策をスムーズに決定、実行していくことができた。

4.プロジェクトの成果

プロジェクトチームの活動の結果、被買収側の優秀な人材を全員獲得、営業譲渡日から混乱なく通常業務を開始した。

また、買収側・被買収側の各々の開発拠点や物流拠点を想定よりも短期間で統合したため、統合による想定コスト削減額に、1億円を上積みすることができた。

営業人員は2割削減したが、統合前と同水準の売り上げを維持するという、大成功をおさめた。

この成功を受け、約1年後には、シナジー効果創出プランニングプロジェクトをフェーズ2として実施。現在ではプランに沿って、更なる売り上げと顧客満足度向上に向けた活動が展開されている。

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